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「裁量労働制」とは?

 「裁量労働制」とは労働基準法が定める「みなし労働時間制」のひとつとして位置付けられている働き方の事をいい、この制度が適用された場合、労働者は実際の労働時間とは関係なくあらかじめ定められた時間分を労働時間とみなして賃金が支払われます。

 簡単にいうと「長く働いても、短く働いても、実際の労働時間に関係なく、契約した労働時間分が働いたとカウントされる」事を言います。裁量労働制の契約で、みなし労働時間を「1日7時間」とした場合、実際に10時間働いていようと3時間のみであろうと、契約した「7時間」働いたとみなされ給与に反映されるのです。

 仕事をやり遂げる上でそれにかける時間や進め方を自身の裁量でコントロールでき、求められる成果を上げていれば自由に働ける、というメリットを持つ「裁量労働制」。しかしその反面、みなし労働時間を超えても残業が発生しない為、時間に見合わない仕事を任された時に長時間労働がまん延したり、雇用者側の都合がいいように勤怠集計が行われたり、と様々なデメリットもあります。

 これらの問題を少しでも減らすため、労働者側もしっかりと「裁量労働制」について知っておく必要があるでしょう。今回はそんな「裁量労働制」について、簡単にご説明します。

「裁量労働制」が適用できる業務は限られている

 裁量労働制は誰もが使用できる制度ではありません。労働基準法で定められている特定の業務に携わっている場合にのみ、労使協定を締結するなどの所定の手続きを経て、この制度を適用する事が認められています。

 その「特定の業務」とは大きく下記の2つに分けられます。

・専門業務型裁量労働制

 業務の性質上、業務遂行の手段や方法・時間配分等を大幅に従業員の裁量にゆだねる必要があるため、業務遂行の手段・時間配分の決定等に関して具体的な指示を出すことが困難な業務。

 対象となるのは「新商品若しくは新技術の研究開発又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務」「衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザインの考案の業務」「公認会計士の業務」等、19の業務が厚生労働省によって定められています。

(http://xn--mhlw-4v9fn93a.go.jp/general/seido/roudou/senmon/)

・企画業務型裁量労働制

 事業運営上の重要な決定が行われる企業の本社などにおいて企画、立案、調査及び分析等の業務を行っている従業員が対象とされる。

 労使委員会を結成のうえ、委員の5分の4以上の多数決を決議するなど、「専門業務型裁量労働制」よりも厳格に要件が設けられています。

(https://www.mhlw.go.jp/general/seido/roudou/kikaku/)

裁量労働制の「時間外労働」、残業代発生のケースは?

 時間外労働に対して「残業代」が発生しないことが裁量労働制の特徴であり原則ですが、全てのケースにおいて全く残業代が発生しない、という事ではありません。どのような時に残業代は発生するのでしょうか。

・みなし労働時間が8時間を超えるとき

 裁量労働制において、定められたみなし労働時間が法定労働時間(1日8時間・1週40時間)を超えた部分に関しては割増賃金が発生します。例えば1日のみなし労働時間が「9時間」の場合は、8時間を超える1時間分は時間外労働とされるという事です。

 また仮に、みなし労働時間において時間外労働時間が一月あたり60時間を超えるような定めをした場合には、60時間超えの部分についても割増賃金が必要となります。

・深夜残業が発生したとき

 労働基準法の深夜業の規定が適用され、午後10時~午前5時までの深夜時間帯に労働した場合には、この時間帯の労働時間分の残業代が発生します。

・休日労働をしたとき

 労働基準法の休日の規定が適用され、基本的には原則の週1日以上の休日(例外的に4週4日でも可)を与えなくてはならず、休日に労働させる場合は、協定を締結して労働基準監督署に届け出たうえで、その日の労働に応じた残業代が発生します。

 休日の労働時間の算定は、事前に「みなし労働時間」が定められている場合はその定めに従う事となりますが、定めがない場合には実際に労働した時間に基づいて計算されます。

 今回ご紹介したように、裁量労働制とは「残業代不要で好きに働かせられる制度」ではなく、休日出勤や深夜業務など、実は管理をしなくていけない事もある制度となります。

 これらを厳しく、正確に管理するためには裁量労働制に対応した勤怠システムの導入が必要不可欠となるでしょう。

 弊社の提案する勤怠システム「勤怠Trust」では裁量労働制やフレックス制など、様々な働き方に対応しており、簡単に勤怠集計を行う事が出来ます。従業員にとってメリットの大きい自由な働き方を検討されている企業様はぜひ一度、ご連絡くださいませ。

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