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「労働時間」の範囲に気を付けよう

 労働基準法では労働時間の上限が定められており、使用者はこの上限を超えて労働者を働かせる場合には、割増賃金を支払うように定められています。このことから、就業時間内のどの作業からどの作業までを「労働時間」とカウントするのか、その範囲が重要となってきます。

 例えば、就業時間から業務が始められるよう、10分から15分ほどの余裕をもって出社するように指導している企業は多くあります。しかし、始業時間前の「10分から15分」を「労働時間」としてカウントせずに賃金を発生させない場合には、始業時間前に出社を強制する事は違法行為だと考えられる可能性もあります。

 とはいえ、勤務開始前に着替えや準備が必要であり、必ずしも早めに出社を行わなければならない職種の場合はどうしたらいいのでしょうか。

 今回は、どのような作業が「労働時間」に含まれ、何が含まれないのか、をご紹介していきます。

「労働時間」の定義

 労働基準法上、「労働時間」とは、「客観的にみて、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれている時間」の事をいいます。業務に従事している時間が労働時間かどうかを判断するには、使用者の指揮命令下に置かれている時間かどうかというのがポイントとなり、これは就業規則の規定の有無にかかわらず判断されます。

 この定義は簡単そうに見えますが判断が難しいケースも多く、「新人は最初に出社しなければならない」「社内共有箇所の掃除を行わなければならない」といった社内の暗黙のルールが勤務時間外に用意されている場合、そこに企業(使用者)側の指示があるかどうかを客観的に判断する必要があります。

「労働時間」に含まれるもの

・始業前の準備、終業後の片づけ

 始業前の掃除、お茶の準備、朝礼への参加、などを使用者によって命じられている場合や、業務遂行上必要な作業な場合には、原則として労働時間として位置づけられます。

 

・着替えの時間

 作業着や制服のように、労働者が所定の作業服の着用を義務付けられている場合には、これらを着用する時間は労働時間となります。

 

・手待時間

 手待時間とは、就業時間中に作業を行っていなくても、業務が発生した際には直ちに作業を行えるよう待機している時間の事を言います。

 具体的には「店員が顧客を待っている時間」「夜間業務間の仮眠時間」「昼休み中の電話番の時間」などを指し、これらは使用者の指揮命令下にあるといえるため、労働時間となります。

 

・研修、勉強会

 就業時間外の研修や教育訓練は、参加を義務付けられている場合には労働時間としてみなされます。しかし、労働者の意思に任せる自由参加型の場合であれば、これらの研修等は労働時間として認められません。

「労働時間」に含まれないもの

・通勤時間

 通勤時間中の電車やバスの中では音楽を聴いたり、本を読んだり、自由に過ごすことが出来、使用者の指揮管理下にあるとは言えず労働時間には含まれません。

 

・休憩時間

 休憩時間とは、従業員が会社や上司の指揮命令下から解放されて自由に過ごす時間の事を指すため、労働時間とはみなされません。

 ただし、手待時間の例でも挙げたように「昼休み中に来客や電話に備えて待機している」 といった場合には、労働時間にあたると考えられます。

 普段、何気なくお願いしている内容が「労働時間」に含まれており、時間外労働として割増賃金の支払いが必要だった・・なんて例もあったのではないでしょうか。そういった企業は今後、労働者の「労働時間」をしっかりと把握していく必要があり、そのためには勤怠システムの導入が不可欠といえます。

 弊社の提供する勤怠システム「勤怠Trust」では、実際の打刻時間と丸め込みの時間が労働者・使用者、どちらからでも確認ができ、一目で労働時間の乖離が分かるようになっています。実際に打刻した時間に対して残業申請を出していない日が上長から見ても分かりやすく、また乖離時間に対して理由がある場合には「乖離理由申請」を上げる事も出来ます。

 今後、ますます厳しい管理が必要になっていく「勤怠」に関して、正しい管理を行っていきたいとお考えの担当者様はぜひ一度、勤怠Trustまでお問い合わせください。

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