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「みなし残業」と「固定残業」、大きな違いとは?

 転職サイトの求人広告で「みなし残業 40時間含む」「固定残業 20時間/2万円」といった表記を見たことがある人は多いでしょう。このみなし残業・固定残業とは、一体なにを示しているのでしょうか。「40時間は必ず残業しなくてはいけない」という意味でしょうか?

 今回は、似たようで全く違う「みなし残業」と「固定残業」の違いを説明していきます。

「みなし残業」とは

 みなし残業とは、実際の労働時間にかかわらず「特定の時間を労働したとみなし」、賃金や手当の中にあらかじめ一定時間分の残業代を含ませておく制度の事を言います。法律上では「みなし労働時間制」と言います。

 このみなし労働時間制は労使協定にて定めるため、例えばみなし労働時間が8時間と定められている場合、結果として残業時間が10時間であっても残業代が支払われる事はありません。

 みなし労働時間制が適用されるのは、「事業場外労働制」と「裁量労働制」の2パターンがあります。

 

①事業場外労働制

 事業場外みなし労働時間制とは、会社以外で仕事をする場合に、所定の時間分労働をしたとみなす制度の事を言います。営業職や記者・バスガイドなど、基本的に会社の外で労働をし、労働者の労働時間を算出するのが難しい職種に用いられます。

事業場外みなし労働時間制を導入するためには、

 ・会社の外で業務に従事していること

 ・労働時間の算定が困難であること

の2つの要件をクリアしている必要があるため、営業職なら必ず事業場外みなし労働時間制が使えるというわけではありません。

 例えば営業として外で働いていても、随時上司や使用者の指示を受けながら労働している・何名かの複数人で外で働きそのメンバーの中に労働時間の管理が出来る人がいる、といった場合には「労働時間の算定が困難」とは認められない、という事になります。

 昨今ではテレワークという働き方が主流になってきましたが、自宅で働いていても、仕事が私生活と分離され、かつ上司・使用者の具体的な指示に基づいて業務を行っている場合も労働時間の計算が困難とは言えないでしょう。

 

②裁量労働制

 裁量労働制とは、研究者や製作者など業務の忙しさに波がある職種に適用されます。仕事の進み具合によって激務になったり、まとまった休みが取れたりするような仕事では裁量労働制を利用する事で得られるメリットもありますが、労働基準法で定められている特定の業務に携わっている場合にのみ、この制度を適用する事が認められています。

 ・専門業務型裁量労働制

 業務の性質上、業務遂行の手段や方法・時間配分等を大幅に従業員の裁量にゆだねる必要があるため、業務遂行の手段・時間配分の決定等に関して具体的な指示を出すことが困難な業務。

 

 ・企画業務型裁量労働制

 事業運営上の重要な決定が行われる企業の本社などにおいて企画、立案、調査及び分析等の業務を行っている従業員が対象とされる。

 

 これらの「みなし労働時間制」は、「残業代不要で好きに働かせられる制度」のように感じられますが、休日出勤や深夜業務・休日出勤など、実は管理をしなくていけない事もある制度となります。

 

「固定残業」との違いは?

 「固定残業」とは、実際の残業時間にかかわらず一定時間分の時間外手当(残業代)を支払う制度となります。

 一見、みなし労働時間制と大きな変化が無いように感じますが、固定残業では見込んだ残業時間分を超えた場合には、その分の時間外手当を追加で支払う必要があります。例えば、「固定残業20時間」の働き方で合計30時間残業したとすると、10時間分の時間外手当が発生します。

 上述した「事業場外労働制」や「裁量労働制」と違い、固定残業には職種の制限がないため、比較的導入が簡単に行えます。しかし、後々労務問題などを引き起こさない為にも、就業規則や雇用契約書には固定残業制に関して明記しておきましょう。

 似たような内容だけど、実は全く違う制度である「みなし残業」と「固定残業」制度ですが、内容をしっかりと把握し運用が出来れば、メリットも大きい制度となります。

 一見複雑な制度ですが、適切に勤怠管理が出来るなら導入をしてみたいとお考えの担当者もいらっしゃるかもしれません。

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